ため池管理者のみなさまへ

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「水の事故」から命を守るためには? 「万が一の時」の対処法も

2022年08月20日

 レジャーが本格化する夏は「水の事故」が増え、警視庁によると特に海と河川での割合は全体の85%を超えています。自分自身や家族、友人の命を守るために、どのような点に気をつけるべきなのでしょうか。(監修:水難学会会長・斎藤秀俊)

 海や川を問わず、水の事故を防ぐための基本的な注意点です。危険な場所を知らせる案内は、当日の天候と併せて事前に確認しましょう。天気や防災アプリを活用、急な天候悪化に備えることも大切です。釣りをする際はサイズの合うライフジャケットを着装します。子どもが浮き輪にのったまま風などに流されるので、一緒に水に入るようにしましょう。

 中州は急な増水で取り残される危険があります。また、ダムは放水の可能性があり、悪天候が予想される時は川に近づかないことが大切です。水に入る場合、膝下の深さなら腰を水底につければ流されることはないでしょう。川で「泳ぐこと」は危険です。ライフジャケットはもともと泳ぐことを想定して作られていません。安全に遊ぶために着装しても、緊急時に浮くためのものであり過信することはやめましょう。

 海水浴場は開設されないことも。監視員やライフセーバーがいない海や、「遊泳禁止」の掲示がある場所で泳いではいけません。岸に近くても沖へ流れる潮の流れ(離岸流)があります。もし流されたら戻ろうとせずに、背浮きで呼吸を確保して救助を待ちましょう。また、悪天候時は高波が発生するなどの危険があるため、海に出ないようにしましょう。

 警視庁によると水難死亡事故の約8%は用水路で起こっています。あなどると大変危険です。柵のわずかなスキマから入れる子どもは特に注意が必要です。夜道では懐中電灯を使う、自転車のライトを点けることも忘れずに。また、ため池は構造上、人が入る想定をしていないので、落ちたら上がることは困難です。近づかないことが最善の対策となります。

 落ち着いて「背浮き」をするように呼びかけます。大きく息を吸って肺に空気を溜めると、肺が浮き袋になります。空気が抜けないように、声を出さずに救助を待つことが大切です。助けようとしても、保護者は絶対に飛び込まないように。自身が溺れるリスクも高いです。

 脈がある場合には素早く人工呼吸を、脈がない場合には胸骨圧迫(心臓マッサージ)を実施する必要があります。息を吹き返したら体位を横向きにします。上を向いたまま嘔吐した場合は、窒息しないように口の中の吐しゃ物をかき出します。また、タオルや上着をかけて保温しましょう。成人でも同様の対処法を行います。

YAHOO!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/special/water-accidents/?fbclid=IwAR0-UGg1AdeNBOJGaNwZm77AAOTi9va65oVlQFUa7E9NR5suB6lWJlougEA