地域のため池を探ろう!

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成合池(南あわじ市)

2021年10月28日

(1) 所在地 南あわじ市三原町八木馬廻字白木谷
(2) 型式と規模
      型式 直線重力式粗石モルタルダム(両面間知石積)
      堤高 33.0m
      堤長 113.3m
      貯水量 975,000㎥
        満水面積 8.0ha

(3) かんがい地域とその面積 三原郡八木村及び榎列村(いずれも現三原町)の一部306.0ha(内新開田67.5ha)
(4) 築造の由来
 成相池築造の経緯は、ダム下流右岸に建てられている「成相池之碑」を読むと、池は諭鶴羽山脈の横谷成相渓に在って成相池と名付け、昭和4年7月、八木村成相耕地整理組合の設立と共に計画され、昭和12年4月起工、25年3月完成す、とある。
字魚の経緯について、改良区内に補完されている文書綴から見ると次のように記されている。
 本地区は三原川支流成相川流域の三原郡八木村及び榎列村(いずれも現三原町)の一部を占める地区で、用水源は成相川の河水を主体とし、一部ため池掛及び井戸等による地下水利用であるが、土地は高燥で多量の用水を必要とするため既施設のみでは用水が不足し、毎年甚大な干ばつを被る状態であった。
 この対策として地区上流成相渓に一大貯水池を築造し、地区内田238.5haの用水補強と、既設畑67.5haを開田かんがいし、次のように記されている。

1.事業費
事業負担区分
組合事業 国費3.0割 県費1.0割 組合6.0割
県営事業 国費5.0割 県費2.5割 組合2.5割

2.事業効果
 事業遂行により得る利益は直接・関接多々ありますが、その内最も主なるものは用水重質による米の増産と開田に伴う等の増産でありまして、これを数字的にあげれば次の通りです。
種別 年々増産石数
米  2,061石
麦  540石
(注) 成相池にかかる文献は次のとおりである
1.成相土地改良区保管文書
2.農業土木に生きた八十年誌

※ 本文は、「兵庫のため池誌」(昭和59年発行)第四編各地のため池築造の歴史から一部加筆訂正して転載しています。