ため池を学ぼう!

ため池を学ぼう!

たつの市立西栗栖小学校 ため池見学会(光都土地改良センター)

2022年12月28日

 情報提供が遅くなりましたが、令和4年11月15日(金)に開催した西栗栖小学校のため池見学会について報告します。
 光都土地改良センターでは、2年に一度、栗栖土地改良区と共同で小学生のため池学習を支援しています。
この度は、西栗栖小学校の3,4年生12名、教員3名の参加がありました。土地改良区理事長からは栗栖池築造が戦争により中断したこと、土地改良区など地域で行う草刈り作業や流木除去など管理の取組について説明していただきました。
 土地改良センター職員からは栗栖池の諸元、築造時期、堤体決壊時の被害想定のほか、ため池の構造、役割、危険性などを解説しました。栗栖池は普段はなかなか行くことのない山の中にあります。初めて栗栖池を見た小学生はどのように感じたでしょうか?小学生にとっては貴重な体験となったことでしょう。
 後日、小学生からお礼の手紙に栗栖池の大きさに驚いたとの記載がいくつもありました。

《栗栖池》
 栗栖川は昔から水量が乏しく、用水を確保するため流域の人々は川底に暗渠を設置し堀井戸等で揚水をしていたが、旱魃の時には大被害となるので、水不足を補うため奥小屋の奥麦子に栗栖池を造ることになり、昭和15年に東・西栗栖村と新宮・越部村の一部で組合を結成し、昭和16年に池の起工式が行われた。
 工事は当初5ヶ年計画であったが、太平洋戦争が始まり人夫や資材が不足し、各種団体の勤労奉仕や学徒動員まで行われたが工事は進まず終戦を迎えた。
 戦後は物価高騰の上、県費も少なく、工事は一時中止のような状態になり憂慮されたが、当事者の並々ならぬ努力により昭和27年8月9日にこの難工事は完成した。
 総工費3450万円、所用人夫8万人の大工事であった。
 なお、奥麦子にはもと四軒の家があったが池の工事のため全戸移転し、また池の上流の神保には三軒の家があったが今は廃村となっている。