ため池管理者のみなさまへ

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【神戸新聞記事】全国唯一?明石のプールで泳ぐのは 生態系脅かすアカミミガメ3千匹、捕獲作戦の果てに

2022年08月14日

 明石クリーンセンター(兵庫県明石市大久保町松陰)内に、自治体施設としては全国でも珍しいアカミミガメ(ミドリガメ)の保管プールがある。地域の生態系を守る取り組みの中で捕獲したり、引き取ったりした数千匹が所狭しと泳いでいる。(長尾亮太)
 ごみ処理を担うセンターの西端にプールはある。記者がゆっくり近づくと、まだ10メートルほど離れているのに気配を察知。プールサイドで甲羅干しをしていたカメたちが一斉に水中へ飛び込んだ。歩を進めるすばしこさに驚かされる。
 プールは全長9メートル、幅5メートル、深さ40~60センチで、現在は2千~3千匹いると推定されている。

 ■堆肥や食材…活用の道は断念
 「明石市内は他の地域よりも野生のアカミミガメが多いですよ」
 専門家から指摘を受けたことをきっかけに、ため池や川での繁殖を防ぐ取り組みを2011年度から始めた。専門家が含まれる協議会をつくって捕まえたほか、わなを貸し出してため池管理者による防除を後押し。市民が自宅で飼えなくなったカメを引き取った。
 14年には独自に条例をつくって、野外へ放つ行為に対する30万円以下の罰金を設けた。
 21年度までに捕獲したり引き取ったりしたカメは約1万8600匹に上る。瀬戸川では群れる光景は見られなくなったほか、希少な種類の水草が増えたため池もあるという。
 一方で、捕まえたカメの行き先として市は15年10月にプールを設置。当初は堆肥にしたり食材にしたりして活用する道を探ったが、堆肥としての成分を安定させることが難しいほか、食べられる部位が思いのほか少なく断念。いまは近くのパン工場から廃棄前の食パンをもらい、1日に2、3斤、餌としてやっている。

 ■国も輸入と販売、野外に放つことを規制へ
 生態系を脅かすアカミミガメ対策に、国も乗り出した。今年5月、改正外来生物法が成立したことを受け、来春にも輸入と販売、野外に放つことを禁じる。
 一方で既に約160万匹が家庭で飼われているとされる実態を踏まえ、新たに野外へ放たれることがないよう、飼育は規制しない。
 市の担当者は「先んじて進めてきた取り組みを続けたい。市内で飼えなくなったり、捕まえたりしたアカミミガメは引き取ります」と呼びかける。プールは公開していない。
 カメダイヤルTEL078・918・5585

 【アカミミガメ】ミドリガメの名で知られ、原産地は北アメリカ南部。環境省によると、1950年代後半から子ガメがペットとして輸入され、年間輸入量は90年代半ばに約100万匹に上ったが、近年は5万匹を切る。2019年時点の推計では、約110万世帯で約160万匹が飼われている。在来のニホンイシガメの餌を奪うほか、水生植物をたくさん食べるなど、生態系に影響すると問題になっている。

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https://www.kobe-np.co.jp/news/akashi/202208/0015550879.shtml?fbclid=IwAR1xoUuPXKnmDC_zyjSu4T6wtaMNjrEaq3gLp-yF_Mufzy7otq1jCR9wJ1s