ため池管理者のみなさまへ

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【R4.3.17農業協同組合新聞】ため池の豪雨対策 水位上昇を防ぐ対策効果を可視化 農研機構

2022年03月17日

 農研機構は、ため池の水位の上昇を防ぐ対策の効果を可視化する手法を開発。豪雨時の水位の上昇をどのくらい抑えられるかをグラフで示すもので、ため池ごとに考えられる対策について効果を可視化することで最適な対策につながる。
 ため池は、水位が高くなりすぎると決壊するおそれが生じるため、多くのため池には、水位が上がり過ぎないよう一定水位(常時満水位)で放流する洪水吐が設けられている。
 しかし、洪水吐の規模が小さいため池では、豪雨時に決壊のおそれがある危険な水位まで、一時的に水位が上がることがある。
 このため、豪雨の前に貯水を放流したり、洪水吐の一部にスリット(切欠き)を入れたりして、豪雨の前に水位を下げる対策を行っているが、その効果を定量的に評価し、可視化する手法がなかった。そこで、農研機構は、水位を下げる対策を行った場合に、ため池の水位上昇をどのくらいまで抑えられるのかを評価して可視化する手法を開発した。
 豪雨によるため池の水位の上昇は、雨の強さや降雨時間の長さなど豪雨のパターンによって異なる。
 開発した手法では、様々な豪雨のパターンを入力条件として与え、対策の有無に対するそれぞれの水位を計算。水位の最高値、注意が必要となる時間の長さ、およびその発生確率を求め、結果をグラフ(散布図)で示す。
 この手法を用いることで、放流する水位の設定などの具体的な対策と水位の上昇を抑える効果の関係を可視化して把握することができるようになる。