荒樋抜き神事(小野市河合中町 八ヶ池)
2022年06月07日
令和4年6月4日、田植えを前にして、水利の安定、五穀豊穣を祈る「荒樋抜き神事」が小野市河合中町にある八ヶ池にある祠で執り行われました。
荒樋とは、今年、最初に水を送る(樋を抜く)という意味で町内にある慶徳寺の住職が読経後、関係者が祠に向かい今年の水利の安定、五穀豊穣を願い合掌しました。
現在、集落内にある慶徳寺は、室町時代に建立された由緒ある寺院ですが、元々は、八ヶ池の近くにあったとされています。
そのため、慶徳寺には八ヶ池と深く関係があり「龍鱗(りゅうりん)伝説」という言い伝えが残されています。
■龍鱗(りゅうりん)伝説
昔、八ヶ池に龍が住んでいました。その龍は人々を困らせていましたが、説法上手で知られた春庭見芳禅師(しゅんていけんほうぜんじ)の話を熱心に聞き続け、ついに人間に生まれ変われたそうです。喜んだ龍は、お礼として龍の鱗を寺院に残し、また、この池の水が涸れないように水を湧き出させたという言い伝えがあります。龍の鱗は、今でも寺宝として残されおり、八ヶ池の近くには、蛇水(じゃすい)と言われる小さな湧水地があり、何百年経った今でもコンコンと水が湧き続けています。