【神戸新聞記事 R3.8.27】移ろう季節、秋の野草ナンバンギセル見頃 加古川
2021年08月27日
移ろう季節、秋の野草ナンバンギセル見頃
秋の訪れを告げる野草のナンバンギセルが、兵庫県加古川市八幡町のため池周辺で見頃を迎えている。薄紅色の花がススキの根元でひっそりと咲いている。
ハマウツボ科の一年草で、西洋人のパイプに似ている花の形がその名の由来。葉緑素がなく、ススキやミョウガなどの根に寄生して育つ。うつむき加減に咲く様子が思案しているようにも見え、万葉集で「思ひ草」と詠まれている。
東播地域で30年以上、草花の観察を続ける女性(74)=同県稲美町=は今月下旬、加古川市や稲美町にある、ため池の土手で群生を見つけた。「咲いているのを確認できたのは十数年ぶり。8月中旬の多雨の影響で咲いたのかも」と話していた。(辰巳直之)